30代のやってはいけない冠婚葬祭作法

知らないではすまされない「冠婚葬祭」マナー

2017-02-12から1日間の記事一覧

櫛を拾ってはいけない

「髪は女の命」といわれた時代もあった。髪が命なら、髪をとかす櫛は、その時代の女性にとっては、命から二番目に大切なものであったかもしれない。 つげ、竹、象牙、べっこう……昔の女性は幾種類もの櫛をもっていたものだ。ところで、櫛を大切にしていた昔に…

早死にするから帯を切ってはならぬ

妊娠五カ月を祝う〝帯祝い〟ちょうど今の七五三にあたる〝帯結び〟の儀式など帯にまつわるわが国の風習。儀式は昔から数多くみられる。 実際、古事記のなかにも帯に関する記述があるほどだ。今日では帯は後ろで結ぶものとなっているが、昔は前で結ぶこともあ…

タタミの縁はふんではいけない

子供の頃、タタミの縁をふんで親から叱られたことはなかっただろうか。これは武家礼法のなごりであるとする説がある。 タタミの縁をむやみに歩くと、床下にかくれている忍者が、タタミとタタミのすきまから、槍や刀を突きあげてくるかもしれない、だから縁を…

元旦に掃除したら福の神が逃げちゃうぞ!

今でも元旦には掃除をしない家庭が多い。別に正月休みのためではない。 その理由は、元旦に家に舞いこんだ福の神を外に掃き出さぬためだという。江戸時代の商家などでは、元旦は一日中、雨戸を閉めきっているところも多かったとか。こんな話もある。 江戸時…

墓地で転ぶととんだことになる?

彼岸になると、家族そろって墓参りする人は多い。日頃、ご無沙汰をしているので、この時期くらいは、殊勝な気持ちになって、祖先の霊を弔うのだろう。 生前、酒好きだった人には酒をという具合に、先祖の好物を持っていく。先祖の霊を大切にする気持ちはいつ…

縄を帯にしてはならぬ

農作業、荷造りなど実用的なものから縄跳びに至るまで、私たちの生活と縄とのあいだには、きってもきれない縁がある。 この縄が道端に落ちているのを蛇と見間違えて、ハッとしたことが誰でも一度や二度はあるのではないだろうか。昔の人も縄から蛇を連想した…

出産現場に夫は立ち会ってはいけない?

日本の若い夫婦の間でも、欧米なみにラマーズ法などが取り入れられ、出産現場に夫が立ち会うこともさほどめずらしいことではなくなった。 心理学的にみても、夫が現場でなにやかやと協力することは、妻の不安を柔らげ、陣痛の少ない自然分娩を促すよい方法な…

暮の大掃除は女がやってはいけない

年末の大掃除、師走の風物詩としておなじみの光景である。最近はこの季節になると、男はジャマとばかりに追いたてられるご主人方も多いようだが、大掃除は昔は男の役目だったのである。 正月祝いは、そもそもわが家に招いた年神から新しい生命を授かるという…

三隣亡に家を建ててはいけない?

十数年前に、実際にあった話である。東北のY市で、Aさんが古い家を取り壊して、新築を始めた。上棟式の日に、近所の人を招いたところ、思いのほか出席者は少なく、二人であった。 気になって近所の家を回ってみると、「八月二一日の三隣亡に柱を立てた」と…

丙午の女が嫌われるのはなぜ?

理屈では馬鹿げているとは知りながらも、心のどこかでやはり気になってしまうという俗信がいまだにある。 科学優先の現代にあっても、昔から培われてきた日本人の精神構造は崩壊していないようだ。丙午生まれの女性を忌む因習などは、その最たるものであろう…

道で葬列に出あったら親指をかくさなくてはいけない?

道で霊柩車に出あったとき、思わず親指を中にして手を握りしめてしまった経験はないだろうか。 他人の不幸とはいえ、霊柩車のあの黒いボディには、どこか人間の体を思わず硬直させてしまうような異形のイメージがある。 人間の防衛本能のなせるわざだろうか…

通夜の席で死因をきくのは不作法?

通夜の席では、遺族、近親者、知人、親しい友人などが一夕をともにすることになる。遺族は、死という現実に耐え忍びながら、来客の接待に追われなくてはならない。 看病疲れのうえに、通夜、葬儀と気持ちは張りつめているものの、その疲労は激しいものがある…

不祝儀には黒以外の水引を使ってはいけない?

よくわれわれが間違いやすい水引のタブーをもう一例あげよう。不祝儀は全て黒の水引ですましている人が多いようだが、これはたいへんな間違い。 本来、黒の水引を使ってよいのは、葬儀のときだけなのだ。ところが実際には、葬儀以外の法事にまでも黒、または…

金銀の水引、金を右にしてはいけない?

祝儀、不祝儀など贈答品にかけるものが水引である。細いこよりにのりをつけて干し固め、色付けされ、数本合わせて使用される。 水引には、祝儀用の紅白と金銀に、不祝儀用の黒一色、黒白、銀一色、黄白、藤色などがあり、それぞれ用途によって、使い分けられ…

新婚両人は床の間の前に坐るものではない?

花嫁花婿の入場にはじまる結婚披露宴では、メインテーブルは主役二人の席ときまっている。ホテルなどの式場が率先してつくり上げた、このスタイルは、実はごく最近の流行にすぎない。 新郎新婦をよく見たい、祝ってあげたいという参列者の気持ちとあいまって…

線香は三本立てるのが本当?

一般に線香は一本、あるいは三本立てなければいけないとされている。 仏にお供えして、霊を弔うという焼香の本来の主旨からすれば、線香を何本たてようと関係ないのだが、日本では仏教の宗派によって、本数が決められている。 禅宗では二本でも三本でもよい…

結婚式は夕方にあげてはいけない?

結婚披露宴の会場の予約は、ふつう正午をはさんだ時間帯から詰まっていく。 まず結婚式を挙げ、その日のうちに人々を招いて食事を供するとなると、やはり都合がいいのか、ほとんどのカップルがこの時間帯を希望する。 最近では結婚産業もエスカレートし、結…

夜の結納はよくない?

今やデパートのブライダルコーナーに五品目、七品目、九品目とセット価格で売られている結納。 目録にはじまり、金包、子生婦、寿留女、松魚節などその内容は酒食のものが基本となっている。結納の本来の意味は、〝息女を育てられた御両親へのお礼〟であり、…

門松の一夜飾りはタブー?

門松を含め、正月やめでたい節句の飾りうけに、一夜飾りは似つかわしくないものとして、昔から避けられてきた。 なぜ一夜飾りはタブーなのだろうか。これは「渡り箸」などと同じく、葬式に関連したタブーなのである。 人の不幸は、前触れもなくやってくるこ…

贈り物になぜ偶数は嫌われるのだろう?

昔から数字にまつわる禁忌は多い。そのほとんどが語呂合わせで、根も葉もないタブーであるといってしまえばそれまでなのだが、科学の進んだ現代でも、いまだに忌み嫌われているものもある。よく贈り物に偶数はいけないといわれる。 たとえば、ふだんあまりつ…

身内に死者が出た場合は忌み明けまで人に会わない?

身内に死者が出た場合は、一定の期間喪に服さなければならない。 これを一般には黒不浄、黒穢れと呼んでいる。特にその死が不慮の事故であったり、病気によるものの場合の忌みは厳重に守られてきた。 喪中期間をブク、ヒカガリというが、この間は忌屋にこも…