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知らないではすまされない「冠婚葬祭」マナー

タタミの縁はふんではいけない





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子供の頃、タタミの縁をふんで親から叱られたことはなかっただろうか。これは武家礼法のなごりであるとする説がある。

 

タタミの縁をむやみに歩くと、床下にかくれている忍者が、タタミとタタミのすきまから、槍や刀を突きあげてくるかもしれない、だから縁をふむことは危険だと武家礼法は教えているのである。

 

これはしかし、武士が子供をしつけるために、恐ろしい忍者の話を引き合いに出したまでのことのようだ。

 

実際には、タタミの縁を境界線ととらえ、境界を大切にしようという通過儀礼の一種と考えたほうがよい。日本人とタタミの関係は古く、その歴史ははるか奈良時代にまでさかのぼる。

 

ただ平安時代までは今のむしろのようなウスベリで、使わない時はたたんで部屋の隅に重ねて置いた。だから〝タタミ〟なのである。

 

人はその上で寝起きし生活した。タタミ一畳が人ひとりの生活空間だったのだ。室町時代になると、書院作りが生まれ、今日のような厚いタタミができあがった。

 

たたまずに床いっぱいに敷きつめるのである。タタミを敷きつめた部屋という意味から、〝座敷〟という言葉も生まれた。

 

だが、タタミ一畳が人ひとりの最小の生活空間であることに変わりはない。そして、タタミの縁はその生活空間を守る境界なのである。