30代のやってはいけない冠婚葬祭作法

知らないではすまされない「冠婚葬祭」マナー

ネコを死人の部屋に近づけてはならない





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今までぐうたら遊んでばかりいた怠け者が、生まれ変わったようにバリバリ働きだす──昔の人は、よくこんな人を指して「ネコ魂が入った」などといった。ネコの体には、何か人智でははかりしれぬ摩訶不思議な魂が宿っていると考えたのであろう。

 

同様のいわれは、死者の場合にも適用される。しかし、これは概して不吉なことをさしている場合が多い。

 

「死人の部屋には、絶対にネコを近づけてはならぬ」とか、「ネコが死人の部屋へ入ると死人が立ち上がる」などといった俗信が、全国各地に伝えられているのだ。

 

これらは、ネコの魂が死人にのりうつり、化けてでることを恐れ、戒めたタブーなのである。珍しい例では、「ネコが死人をまたぐと、嵐が吹く」とか、「死人が起きてご飯を食べる」、「水を飲む」などという俗信もある。

 

また昔、沖縄では、「ネコに屍を越えられると、いつまでも死体が朽ちず、骨を洗うことができない」という言い伝えもあった。

 

これはネコにジャマされ、死者がいつまでも成仏できずにいるさまを意味したものであろう。

 

その他、宮崎県では、「ネコを川の中に入れて水を飲ませ、死人をほうきで叩くと死人は起き上がる」などといった理解に苦しむような話も残っている。

 

いかに非科学的な話であれ、ネコ魂は昔の人にとって脅威の存在であったようだ。