十五夜を祝ったら十三夜も祝わなければならない
旧暦の八月十五日を十五夜と称し、昔から月見にもっとも適した日とされてきた。では、十三夜をご存知だろうか。
こちらは旧暦の九月十三日。豆名月ともいわれ、やはり月見日和りの日である。「十五夜を祝ったら、十二夜も祝わなければならない」という言い伝えがある。片方だけ祝うのを〝片見月〟といって忌んだのだ。
昔の月見は今と違って、大切な行事でもあったから、片方だけ祝うのを片手落ちのようにとらえて嫌ったのであろう。
片見月を不完全なものの姿、異常なできごととみたのだ。今のような照明器具もなかった昔、漆黒の夜空にコウコウと輝く月はさぞ美しかったに違いない。