30代のやってはいけない冠婚葬祭作法

知らないではすまされない「冠婚葬祭」マナー

身内に死者が出た場合は忌み明けまで人に会わない?





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身内に死者が出た場合は、一定の期間喪に服さなければならない。

 

これを一般には黒不浄、黒穢れと呼んでいる。特にその死が不慮の事故であったり、病気によるものの場合の忌みは厳重に守られてきた。

 

喪中期間をブク、ヒカガリというが、この間は忌屋にこもって他人との交わりを断った。現在では忌中札を入口にかけて、喪中であることを示すことが多い。この間の家族は生活全般にわたって大きな不自由を強いられていた。

 

例えばヒゲ剃り、髪結いの禁止。タツキの道も時には断たねばならないのだから大変だった。野良仕事や漁に出ることもできないし、針仕事や機織りもできなかった。

 

しかも農漁村の共同社会では、集落内の重要な人が死んだ場合には、集落全員が喪に服すことも当然のように行われていた。

 

死者の出た家のカマドの火も不浄の死火として特に恐れ嫌われた。そのカマドで煮炊きしたものを食べることは、死の穢れがかかることになると考えられていたので、他人は絶対に喪中の家での飲食は避けた。煙草の火すらも、もらうことはなかったほどだ。

 

この忌み明けは、死後、四九日まで続いた。これだけ忌みが厳重だったのは、それだけ昔は死が身近だったことを意味している。

 

医学の進歩とテクノロジーの発達によって、私たちは随分と死と隣合わせの危険や不安から解放されたが、その分だけ死の厳粛さと生の喜びが薄くなったといえそうだ。