30代のやってはいけない冠婚葬祭作法

知らないではすまされない「冠婚葬祭」マナー

母親はお宮参りに行くなというのは本当か?





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「母親はお宮参りに行ってはいけない」──昔から伝わるこのタブーには、きっと首をかしげる方も多かろう。生後一カ月前後の赤ちゃんを抱いて参拝する家族の姿は、幸福そのものといった感じで、なかなかいいものだ。

 

たいていは父方のおばちゃんが晴れ着を着た赤ちゃんを抱き、両親がそのあとにしたがうか、あるいは父親が赤ちゃんを抱き、夫婦だけでお参りするか、いずれかのようである。

 

そもそも母親がお宮参りに行ってはいけないとされた理由は、お産というものを「忌」(不浄をさけて慎むこと)と考えた昔からの習俗によるものだ。

 

母親の忌明けは七五日から百日前後とされ、子の忌明けの二十日前後には、まだ忌の期間のために参拝はできないということになっていたのである。

 

しかし、これはすべての人がどこかの神社の氏子だったという江戸時代の習俗。それがかろうして根づいていた昭和のはじめならともかく、氏神・氏子の意識もほとんど薄れかけた現代にあって、人々の忘れるところとなったのも無理からぬ話だと思われる。

 

現代のお宮参りは、みんな軽い気持ちで神社に出かけるようだ。なにしろリースの晴れ着を着た赤ちゃんも出てくる世の中である。江戸時代の人がこの光景を見たら、さぞかし目を丸くすることだろう。