30代のやってはいけない冠婚葬祭作法

知らないではすまされない「冠婚葬祭」マナー

紹介は目上の者を先にしてはいけない?





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まず代表者からはじまり、順々に部下の紹介へと移っていくのが西欧の人物紹介のやり方なら、日本の場合はまさしく逆。

 

ふつう目下の者からはじめ、しだいに目上の者へ、最後に代表者を紹介するのがならわしである。目上の人を先に紹介しては、とにかくいけないのである。

 

前座があり、真打ちはあとで登場する落語などはその典型だし、歌合戦などの〝とり〟の発想も然り。このことはどうやら、昔の俗にいう〝取り次ぎ〟の形式から由来しているとみる見方が強い。

 

つまり、門番から玄関番へ取り次ぎ、さらにその家の書記ともいえる諸大夫、侍従を経てようやく主人に伝えられるといった順序である。

 

門があり、玄関があって、廊下を通って奥へと案内される。日本家屋の構造にもどうも起因しているようである。

 

日本が国際社会の仲間入りを果たした現代こそ、欧米化がすすみ、紹介の仕方も一様ではなくなったものの、この傾向はまだ根強く残っており、人物紹介に限らない。ちなみに、神社の祭りによみあげられる祝詞もまた位の低い神様から述べられ、順々と位の高い神様を呼び寄せるようになっている。

 

神々も芝居の番付もさして変わりがないところが面白い。下から上へと上がっていく意識構造は、ヨーロッパと明らかに違う点だ。あちらの神様なら、憤慨してしまうところかもしれない。