30代のやってはいけない冠婚葬祭作法

知らないではすまされない「冠婚葬祭」マナー

庚申の夜は眠らず、子作りもせず、身を慎んで迎えるべし





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江戸時代の川柳で庚申待ちを詠んだ句に、「寝て用がないで庚申夜をふかし」という句がある。

 

庚申待ちは中国の道教が起源、干支との庚申にあたる禁忌を中心とした信仰のことである。昔の日本では、庚申の日にみなが集まり、信仰行事がさかんに行われていた。この集まりは庚申講と呼ばれ、所によっては庚申塔といわれる供養塔も立っていた。

 

これらはすべて道教の教えがもとになっているのだ。道教では、人間の体内には、三尸虫という三匹の虫が住んでいることになっている。

 

この虫が庚申の夜になると、人間が寝こんでいる間に抜け出して、ひそか天にのぼり、天帝にその人の罪過を報告するのだといわれている。

 

だから、これを防ぐために、庚申の夜は眠らずに、一晩中起きて身を慎まなければいけないとされてきた。先の川柳は、用もないのに夜ふかしをしていなければならないという、そんな庚申の夜の退屈を揶揄した句なのである。

 

このように庚申の夜は一睡もせずに、慎んで起きているのが、建前であるから、男女のセックスもタブーであった。「庚申の夜に交わってできた子は泥棒になる」ともいわれている。

 

しかし、後世になると、人々は庚申の夜の退屈さにたえかねてか、この晩をみなが集まり、酒を飲んだり、雑談をする場としてしまったのである。