30代のやってはいけない冠婚葬祭作法

知らないではすまされない「冠婚葬祭」マナー

柏手は音をたてずに行うもの





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柏手は、神々の再来を祈って打たれるもの。伊勢の大宮司による八開手は八拍手ときまっているが、それ以外の場合は二拍手、神社でも二拍手がふつうである。

 

その昔、岩戸にかくれてしまった天照大神を再び呼び戻すために、神々が手を拍って迎えたのがはじまりと伝えられる。手を拍つことは、敵意を持たぬことの表現でもあった。

 

柏手は、拍手とはちがう。手びょうしを打つ格好ながら、本来拝むことが基本にある。神仏混合当時には、合掌と柏手を二つ合わせて行い、二段再拝と呼ばれた。仏式葬儀の焼香の際、音をたてて手を合わせる者はまずいない。

 

神式の場合は手を引いて打つ動作が大きいので、音をたてるものと誤解しやすいが、音はたてずに拝むのが本来の相手である。

 

合掌と同じく、心から胸のまえで手をあわせる気持ちが大切だ。一方の手だけを引いて打つときは、人を呼ぶ場合で、一時、神社でも音の響を考えて、手をずらして打つようになったりもした。

 

しかし、人が亡くなったときなど、一年間は相手の音を立てずに拝み続けるのが神式の約束事。

 

厳粛な場に際しては、心を平静にして拝むのが正式だ。神式ではこれを〝忍手〟と呼んでおごそかに行っている。今では、こうした作法を守っている人は少ないが、日本人であるなら、ぜひ覚えておきたいものだ。