30代のやってはいけない冠婚葬祭作法

知らないではすまされない「冠婚葬祭」マナー

襖障子は両手をそろえて開けてはいけない





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片手ではなく両手を使った動作のほうが、一般に礼儀正しいとされている。

 

両手をひざまえに寄せてお辞儀をし、手みやげは両手をそえて相手に差し出すといった具合に、日本の立ち居振舞にはことさらその傾向が強い。

 

しかし、襖障子の開閉に限ってはその逆。両手を使うのは不作法なのだ。正式な作法では、襖の手前二五センチほどの所に離れて坐り、片手を交互に使って開閉するのがよいとされている。

 

歴史を遡れば、畳が敷きつめられたのは室町時代以降。以来、襖障子の取手は坐ったまま開けるのに都合のいいように中央から下に付けられるようになった。

 

昔から伝わる作法を詳しく説明してみよう。まず、襖の外から声をかけ、開ける襖の正面に坐ったら引き手に近いほうの手を取手にかけて五センチほど押し開ける。

 

次にその手を下ろしてきて、敷居から二五センチぐらい上の襖の縁にあてて体の正面まで開ける。

 

さらに反対の手を同じ位置にかけて、体の幅ほどまで押すように開ける。閉めるときはこれと逆にすればよい。基本は、右から中央までが右手、左から中央までの動作を左手が受け持つところである。

 

体の中央を境にして、左右の手を切りかえることで、腕に余計な力が入らずにすむ。余分な動きのない動作は、それだけで美しいものだ。あくまでも、人間の筋肉の働きを計算に入れた立ち居振舞なのである。