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節分にまく豆はなぜ生ではいけない?





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「鬼は外、福は内」ととなえて豆をまく──例年、二月の三、四日ともなると、どこの家庭でも目にすることのできるおなじみの節分の光景である。

 

このときまく豆は煎った大豆である。なぜ生の豆をまいてはいけないのだろうか。ただ鬼の眼をつぶすためだけに投げるのなら、生の豆でもよいだろう。後で拾って食べるためだろうか節分のルーツは中国の追儺という行事からきている。

 

これが平安時代の朝廷や貴族の間で取り入れられ、だんだんと庶民の間にも普及していったのである。当時、行われていた追儺は、現在の節分の豆まきとは、かなり様相を異にする。

 

第一に二月ではなく、十二月二八日に追儺は行われていた。そして、鬼を追い出す発想は同じだが、豆をまくのではなく、松明をかざして、外に追い出していたのである。

 

この行事が入ってくるはるか以前から、わが国には農耕占いである豆占という占いがあった。冬と春の分かれる節分の日に、大豆を十二個灰の上に並べ、右から順に一月、二月と決めておき、その豆の焼け具合によって、年間の天候・吉凶・豊作などを占ったのである。

 

正月の豆が白く焼けるとその年は照り年、焼けにくい豆の月は雨といったあんばいである。この豆占に中国の追難がいつしか重なって、現在の節分という行事ができあがったため、豆は煎るのである。