夜の結納はよくない?
今やデパートのブライダルコーナーに五品目、七品目、九品目とセット価格で売られている結納。
目録にはじまり、金包、子生婦、寿留女、松魚節などその内容は酒食のものが基本となっている。結納の本来の意味は、〝息女を育てられた御両親へのお礼〟であり、嫁迎え婚が一般化する以前には、婿が持参して婿入りをしたといわれる。
〝ユヒノモノ〟の言葉どおり、両家が新しく姻戚関係を結ぶために、先に飲食する酒肴、お酒とごちそうだったわけである。かつて結納の日は、婚約の日でもあり、媒介人が男性の側の使いとして立ち、女性側の家を訪ねたものだった。
もちろんこの風習は今でも残っているが、最近ではホテルなどが場をしきって一時に結納の交換を行うケースもある。
しかし、その場合にも、結納の日は結婚の日同様吉日がよいといわれ、さらに午前中がよいとされている。たとえ時間は短縮されても、午後暗くなってから行うようなことは避けるのが賢明だろう。
なにしろ、とり交わしのすんだ後は、双方がともに飲み、食すのが結納本来の意味である。夜から始めたのでは、お互いに時間が気になり、落ち着かないことこの上ない。結納は結婚式同様、両家にとって大切な晴れの日である。
午前中からたっぷりと時間をとりゆったりとした気持ちの中で取り行いたいものだ。