お供えの花は仏に正面を向けて供えてはならない?
仏前に供える花 よく注意して見ると、みな仏に背を向けて置いてある。なぜ正面を向けて、花を供えてはならないのだろうか。
仏教では「華は慈悲を生じ、瞋りを消滅する故に忍辱を表す」(真俗仏事編)という。
忍辱とは、さまざまな迫害や辱しめにあっても、耐え忍び相手を恨まないという意味である。また、華とは花をあらわし、優しく美しい仏の大きな慈悲を象徴している。
だから、仏の慈悲のシンボルである花を勲章のようなものと考えると、お供えの花は仏に正面を向けずに、よく拝むことのできるように、仏に背を向けて置かなければならないのである。