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お灯明を吹き消すと火が穢れる





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今でこそ仏壇のある家は珍しくなったが、昔は必ず家を建てる際は仏間をつくり、立派な仏壇をかまえたものである。

 

仏壇が急速に普及したのは江戸時代。仏壇のない家は邪宗門とみなされるようになってから、どこの家も置くようになった。

 

仏壇といえば、これに供えるお灯明や線香の火は、口で吹き消すなといわれてきた。点火したマッチも同様、振って消すのがしきたりとなっている。これは、息で吹き消すと火が穢れるとの考えからきたものだ。

 

このならわしは、何も仏教に限ったことではない。神道でも、火の穢れを嫌う。今日でも神社の祭りには、火きり杵と火きり臼を使ってもみ出した新しい火で、供物を調理し、お灯明をあげている例がある。

 

火はものに触れて穢れやすいので、祭りの日には火をあらためて、清い火を使うことは、古くからの日本のならわしである。

 

日本の各地では火を管理する神、火の神の信仰も生まれている。中でも薩南諸島から沖縄にかけて盛ん。これらの地方では、家々の火の神のほかに、部落でまつる火の神があり、豊作から家内安全まで、村全体を守るとされてきた。

 

もっとも、現代では、火を清めるどころか、線香に平気でライターで火をつける人も多く、火の神もかたなしである。