友引の日には葬式を出してはいけない?
ちょっと気のきいた暦には、六曜が記されている。先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口という例のあれである。
いろいろな意味づけがされてはいるが、実はこの起源は、判然としていない。一説には、中国から伝播したものだという説もあるが、名称が変化しているものもあり、どうもあまり当てにはならない。
友引もいつの間にか、名称が変わってしまったものの一つである。友引の意味は「相打ちで勝負なし」ということである。
その意義通り、昔は共引と書いた。それがどういう経路をたどってか、友引という字を当てるようになり、友を引くから、葬式のできない日であるという俗信まで生まれてしまった。
現代でも、友引の日を避けて葬儀を行う家庭は多い。昔からの因習を破ることを恐れているのである。
もし、友引の日に葬儀をし、万が一、不幸が続くようなことがあったらと、世間の目をはばかる人がいまだにいる。友引の因習は、ひとえに、そのわずらわしさのために守られているといってよい。
迷信・俗信の類には違いないが、世間一般に信じられていることだから、それを押しまげてまでも、友引の日に葬式をすることはないだろう。ちなみに、この日は火葬場と葬儀屋の定休日ともなっているようである。