縁談の席にお茶はよくない?
適齢期という言葉は現代でも根強く意識されている。
それぞれ個人差はあっても、女性の売りどきは二五歳ぐらいがピーク。
これは結婚数の統計を見ても明らかだ。適齢期を単なる女性の商品価値のように捉える人もいるが、それは間違い。
異性に対してうぶで、あまり世間ずれのしていない女性の二十代前半は、ちょうど一つの転機にさしかかっているのだ。
子供を作るのに十分な若さもある。まさにこの年齢は結婚するのに最適な「適齢期」なのだ。しかし、せっかく適齢期で結婚しても、早々と別れてしまうカップルも最近は多いようだ。
結婚はなにしろ、女にとって人生の重大なターニングポイント。
末永く続くようにと、昔から結婚に関するタブーは多かった。よく知られているところでは、「縁談の席ではお茶を出すな」というタブーがある。これは「お茶をにごす」とか「茶化す」という言葉を連想させるためだ。
だから、関東ではお茶のかわりに桜湯、関西では「よろこぶ」の語呂合わせから昆布茶を出すのが、昔からの習慣となっている。
また、茶という言葉には性的な意味合いも含まれており、古書によれば、お茶は女陰を指し、さらに性交のことも指していたのだという。
「お茶っぴい」や「茶をひく」という言葉もそういう背景から生まれた。結婚話とお茶、少々、露骨すぎる取り合わせではあるまいか。