30代のやってはいけない冠婚葬祭作法

知らないではすまされない「冠婚葬祭」マナー

香典返しにはあとに残るものをおくらない





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香典という言葉のルーツをご存知だろうか。仏教では三具足といって、香・花・燭、つまりお香と花とともしびが、仏を供養する大事な要素とされている。

 

その中でもわりあい高価なお香を霊前に供えることは、花やともしび以上に死者へのより深い追善となると考えられてきた。香典という言葉は、この香の実物を買ってお供えするという意味から生まれたのである。

 

現在では、香典といえば葬式の時に贈るお金を指しているが、これはあくまでもお香代であって、お香を買っていただくためのお金を差しあげているわけである。

 

日本や中国では、葬式に香典を持っていくことはごく当り前のことだが、西洋にはこういうしきたりはない。教会での会葬に立ち合い、墓場までみんなで送っていくだけである。

 

ところで、香典返しにもひとつのルールがある。消耗品が多く使われるのだ。理由は簡単。葬式は悲しみの儀式だから、残るものをもらうといつまでも悲しみがつきまとう。

 

悲しみを早く忘れるためには消耗品がいいのである。だから、お茶やお菓子が主流なのだが、地方によっては白い反物を送ることもある。白い生地は、いろいろな色に染めることができるので結局、死者への悲しみから距離をおくことができるというわけである