30代のやってはいけない冠婚葬祭作法

知らないではすまされない「冠婚葬祭」マナー

忘れつはいけない結納に必要なもの

■結納品の種類結納品は、2人の将来の幸せと子孫繁栄を願うもの。正式には9品目ですが、7品、5品、3品の略式タイプにする場合、品目を増やして豪華にする場合とそれぞれです。

 

関東式では、ひとつの結納台にすべてをのせますので、包みはどれも細長いものになり、水引も平面的です。関西式は、ひとつの結納台に1品ずつのせますので、水引飾りも立体的ではなやかなものになります。

 

また、東海地方では7品目を基本として、呉服細工の宝船や鯛をそえるなど、豪華な内容になります。いずれも、結納品をあつかう専門店やデパートのブライダルコーナーなどで、地方のしきたりや自分の希望に合わせて相談できます。また、男性からの結納に対して、女性側から贈るのが結納返し

 

これは、関東では半額程度を、関西では1割程度を返す慣習になっています。

 

■結納の日の支度

自宅で結納を行う場合には、しきたりとなっている準備があります。

 

和室の場合には、床の間に高砂や鶴亀などのおめでたい図柄の掛け軸をかけます。床の間には結納品を飾りますので、緋もうせんを敷きます。洋室など、床の間がない場合には上座にあたる位置に結納品を飾るためのテーブルや台を用意して、緋もうせんをかけておきます。

 

しきたりとして、出すのは桜湯か、昆布茶となっています。茶菓子は、鶴亀や松竹梅などの干菓子を用意して、縁紅紙にのせて出します。

 

結納品は、挙式まで飾っておきますが、期間が長くある場合は2週間ほどしたらいったん片付けて、招待状を出す頃にまた飾るようにします。

 

結納品の飾り方

◎関東式結納品すべてをひとつの台に並べる。

 

◎関西式ひとつずつ、白木の飾り台に飾るので、スペースが必要になる。

 

目録(もくろく)

結納品の品名と数量を書いたもの。

 

金包(きんぽう)

結納金

 

長熨斗(ながのし)

本来は、干しあわびを長く伸ばしたもの。

 

広(廣)/寿恵廣(すえひろ)

無地の白い扇。

 

友志良賀(ともしらが)

麻ひものこと。切れにくいことから、夫婦の強い絆を願う。

 

寿留女(するめ)

かめばかむほど味が出ることから、「末永く」の意。

 

子生婦(こんぶ)

一つの株から多くの枝を伸ばす昆布にあやかって、子孫繁栄を意味する。

 

松魚節/勝男武士(かつおぶし)

男性の力強さと永久不変を意味する。

 

家内喜多留/柳樽(やなぎだる)

喜びの日に欠かせない酒を入れた柳の樽のこと。

覚えておきたい結納の進め方

■結納の日取り

結婚式の3~6ヵ月前に行うのが一般的です。基本的には、六曜でいう吉日(大安、友引)の午前中がよいのですが、本人および両家の都合がつくところで調整できればいいでしょう。

 

一般的には、午前10時頃に始めて、昼食(祝い膳)をはさんで、午後3時頃までに終える場合が多いようです。

 

■結納の場所

結納の場所は、結納の形式を決めてから相談することになります。仲人が両家を往復するなら、場所は双方の自宅ですし、男性側から女性側へ納めるなら女性宅。

 

双方の実家が離れているなら一堂に会することができるホテル…と、おのずと場所が決まってきます。女性宅や仲人宅など、個人宅で行うことになった場合には、結納後の祝い膳をどのようにするかも決めておきます。

 

一同が集まる場所をホテルやレストラン、料亭や結婚式場などにする場合は、予約時に結納のためと伝えておき、個室を依頼しておきます。

 

掛け軸や花、桜湯など、結納にふさわしい用意をしてもらえます。ホテルや式場によっては、結納品や室料、飲食代がセットされた結納パックプランを用意していることもあります。

 

■結納の種類

結納には、大きく分けて関東型と関西型があります。関東型は「結納を交わす」もので、双方で結納を交換します。一方、関西型は「結納を納める」ということで、男性側だけが結納を贈ります。

 

結納品に関しても、地方によってしきたりや品物、そろえる書類の書式などもちがいます。結納専門店か、百貨店のブライダルコーナーで相談するとよいでしょう。全般的に、関東よりも中部、関西以西が内容が豪華になる傾向があります。

 

■両家どちらの言い分をとるか?

地方の慣習や、それぞれの両親の結納に対する考え方はさまざまです。格式にこだわる人もいれば、合理的に行う方を好む人もいます。

 

時には、ゆずれないこだわりを持っている人もいます。これをきっかけとして、感情的なしこりを残さないように、2人が中心となって話し合い、両家の考え方を調整するようにしましょう。

 

ただ、どちらかといえば、結納は女性側へ贈るという考えに立てば、女性側の考え方を優先して、男性側が譲ることができればベターでしょう。

 

ー六曜とは?

ー日柄のよしあしは、中国の陰陽五行説による、六輝(六曜)によるものです。慶弔に最も向くのは、〝大安〟。それと〝友引〟が吉日なので、おめでたい行事は吉日に行うのが一般的です。あまりこだわる必要はありませんが、気にする人がいる場合は凶日は避けるようにします。

 

 

【大安】一日中、吉。何をしてもいい日。祝い事に最適。

【友引】午前と午後、吉。正午は凶だが、祝い事には好適。

【先勝】先んずれば勝つで、午前吉。午後凶。祝い事は午前から始めればいい。

【先負】先んずれば負けで、午前凶。午後吉。祝い事は正午以降に始めればいい。

【赤口】正午のみ吉。午前と午後凶。祝い事は正午をはさんで行うといい。

【仏滅】一日中、凶。何をしても悪い日。祝い事には不適。

覚えておきたい婚約・結納

■互いへの責任が生まれる婚約

 

結婚の意思をかためた2人が、そのことを周囲の人に知らせるのが「婚約」です。2人の間の話が公然のことになって初めて、婚約したことになります。婚約によって、互いの間には法律的な意味もふくめて責任感が生まれます。

 

万が一トラブルになった場合も、口約束だけでは責任の所在を求めにくいものです。見合い結婚にかぎらず、正式な婚約は必要なものでしょう。

 

 

■「結納」は婚約のもっとも正式な形

 

婚約したことを周囲に明らかにするには、結納、婚約式、婚約披露パーティー、婚約通知など、いくつかの方法があります。

 

この中で、もっとも正式で伝統にのっとった形が「結納」ということになります。結納は、「結納金」としての現金や結納品を取り交わす、あるいは贈ることによって、婚約が成立したものとみなす日本伝統のやり方です。

 

このとき、互いの親や仲人が立ち会うことによって、婚約の証人になります。結納の形式は、地方によって習慣が違いますし、人によっても考え方はさまざま。前もってよく話し合うようにしますが、両家の考えにへだたりがある場合は、仲人が間をとりもって進めます。

 

■仲人を決定する

 

見合いの場合なら、世話人にひきつづき頼むのか、あるいは別の人にあらためて依頼するのかを相談します。恋愛結婚の場合は、仲人を立てずに本人と両家だけで進めることもありますが、頼まれ仲人を依頼する場合もあります。

 

このときも、婚約の仲人としてなのか、結婚式の媒酌人まで依頼するのか、婚約のスタイルはどの形をとるのかなど、きちんと決めてから依頼しましょう。

 

結納のスタイル

 

結納にはいくつかの形式がありますが、大きく分けると次のようになります。

 

◎仲人による両家往復型

 

もっとも正式なもので、仲人が両家を往復します。仲人は男性側から結納品を受け取り、女性側へ届けます。次に、女性側から受書や結納返しを受け取り、男性側へ届けます。最後に、男性側の受書を女性側へ届けます。場所は、両家の自宅ということになります。

 

◎仲人が使者になる簡略型

 

仲人は男性側から女性側へ結納品を届けて納めます。仲人の移動は片道のみで、結納の場所は女性宅になります。日をあらためて、女性側から男性側への御袴料を納める場合もあります。

 

 

◎両家集合型

 

決めた場所に、本人たちとそれぞれの親、仲人が一堂に会して行います。場所は女性宅か仲人宅、またはホテルや料亭になります。現在、もっともポピュラーなスタイルです。

失敗しないための見合い後の交際について

■2回目までは世話人が設定最初の見合いで、互いに交際への意思を世話人に伝えたら、あまり時間をおかずに次回のデートのセッティングをしてもらいます。

 

ただ、世話人にセッティングしてもらうのは、ここまで。それ以降は、本人同士で連絡をとりあって会うようにします。1週間に1回、あるいは10日に1回程度は会う時間を作り、時折、世話人に経過を報告します。

 

■交際費は、できるだけ折半する

 

この時期、デート代はできるだけ折半して、片方だけに負担をかけないようにします。食事をごちそうしてもらったら、軽いプレゼントを贈るなど、金銭的負担が同等になるように心がけます。

 

また、交際の期間中には、あまり高価な贈り物はさけたほうがベターです。物や金銭の貸し借り、頼みごとや頼まれごとはさけるようにしましょう。

 

 

■家族との顔合わせ

 

見合いに付き添いがなく、本人同士だけで始まった場合はなおのこと、できるだけ早い時期に、互いの家を訪問して家族に引き合わせるようにします。結婚は、自分ひとりのことではなく、家族の一員になるということ。

 

 

両親や兄弟などの意見を聞いたり、家族に対する態度などをお互いに見せ合うのも大切です。この際、手土産として菓子やフルーツなどを持参します。

 

■交際後に断るなら、自分の口から2、3回会った段階で交際を断る場合は、世話人を通して伝えてもらってかまいません。

 

 

ただし、しばらく交際を続けた後で断るなら、本人同士で話し合い、自分の意思を伝え合うのが誠意ある大人というもの。

 

断った場合には、早急に世話人にその旨を伝えて、あずかっていた自己紹介状や写真をお返しします。この時は、結婚観の相違など、互いの違いがみえてきたというような理由にして、相手を非難するようなことは避けます。

 

 

出身地や仕事のことなど、最初に身上書の段階からわかっていたようなことを持ち出すことはしないようにします。

 

 

■交際3ヵ月を目安に結論を出す結婚を前提として始まった交際ですから、いつまでも結論を出さずに、交際をつづけるようなことがないようにしましょう。

 

 

遅くとも3、4ヵ月で結論を出すようにします。結婚する意思を互いが確認した場合は、直接、プロポーズをします。

 

 

基本的には男性からするのが礼儀ですが、もちろん女性から気持ちを伝えてもかまいません。その後、世話人に報告と感謝を伝えるために、2人そろって訪問するとよいでしょう。この際、結婚式の媒酌人まで依頼するのかを、決めておくようにします。

お見合いでの世話人へのお礼

■かかった経費は、後日精算で

 

飲食費や室料など、見合いにかかった費用は、世話人が立て替えておき、見合いの成否の結論が出た段階で、精算して両家で折半して返すようにします。

 

その際、実費よりも多少、多めに渡すように気を配ります。また、事前に世話人と両家で費用を打ち合わせておき、多めの金額を世話人に渡しておくやり方もあります。

 

なお、外で会うのではなく、世話人の自宅でセッティングしてもらった場合には、見合い当日に双方が菓子などの手土産を持参するとよいでしょう。

 

■成否にかかわらず、お礼を包むこと

 

一方、見合い後に自分の側から断った、あるいは相手から断られた場合には、相手の書類一式と写真、これに費用とお礼を持って、世話人宅へうかがいます。その時、今後も紹介を頼みたい場合には、「これに懲りずに、どうぞまたよろしくお願いいたします」の言葉を添えます。見合いの相手と交際することになった場合には、この費用と共にお礼を渡します。お礼は、現金で、封筒の表書きには「御礼」あるいは「お車代」とします。世話人が現金を受け取らない場合には、商品券など、相当額の品物を贈るようにします。金額の目安は、話がまとまった場合には2~3万円、まとまらなかった場合には3~5万円と多めにするとよいでしょう。

 

■媒酌人を頼む場合

 

さらに話がまとまって、結婚式の媒酌人を頼む場合には、結婚式が終わってからあらためて、すべてのお礼をふくめた謝礼として渡す方法もあります。この場合は、結納金の1割程度が目安となります。媒酌人を別に依頼する場合は、婚約が整った時点でお礼をするようにします。いずれにせよ、両家と世話人の関係などをふまえた形にするのがのぞましいでしょう。

 

世話人・仲人・媒酌人の違いは?

 

見合いの仲介をし、2人および両家の間をとりもってきた「世話人」。これは、両家に親しく、文字通り、世話をやいてくれる人です。

 

この世話人に、そのまま引き続き、結納から結婚式までの「仲人」を依頼することもあれば、仲人には別の人を頼むこともあります。

 

仲人としては、社会的な信用があり、結婚後もいろいろと相談にのってくれる人が理想的。実際には、会社の上司、恩師、親の知人に依頼することになるでしょう。「媒酌人」というのは、結婚式での仲人に対する呼び方。

 

ただし、これは結婚式の中だけのこと。見合い結婚ではない場合も、結納以降に仲人を立てて進める場合もあります。

【お見合い】返事のマナー

■世話

 

人へのお礼は、当日のうちに見合い当日は、帰宅したらすぐに世話人へ電話してお礼を言います。世話人が最後まで同席せずに、途中から2人だけになった時、あるいは最初から2人で会った場合は、どのような雰囲気だったかなどを交えて報告します。これから交際を希望するか、どうかの返事は後日でかまいません。断る場合も、当日すぐに言うのではなく、時間をおくようにするのが礼儀です。

 

■返事は1週間以内に

 

見合いの返事は、必ず1週間以内にするようにします。こちらが交際を希望する場合は、その意思を世話人へ伝えて、相手からの返事を待ちます。先方も交際を望んでいれば、次に会う機会の約束へとステップが進みますが、あくまでも連絡は世話人を通すようにします。迷っている場合は、1週間以内にいちど、世話人へ連絡して、2、3日待ってもらいます。本人だけでは決めきれないなら、家族や世話人を交えて話し合うようにします。

 

 

■断る時の伝え方

 

断る場合は、あまり引きのばさずに早めに伝えるようにしましょう。その際、条件が合わなくて断る場合には、率直にその理由を伝えてもかまいません。

 

 

これをどのように先方へ上手に伝えるかが、世話人の腕の見せどころです。ただし、なんとなく気が進まずに断る時には先方を立てた言い方になるようにします。

 

 

この場合、家族のことや仕事、出身地のような身上書の時点でわかっていたことを理由にするのはタブー。世話人および先方へ失礼のないように、じゅうぶん注意しましょう。

 

 

お見合いの返事のパターン集

 

初めての見合いの後、世話人に返事をする時には、一般的な言い方を踏襲するほうがいいでしょう。断る場合でも、今後につなげて、また別の方を紹介してほしい時などは、よい印象を残しておきたいもの。

 

相手をけなすような言動はくれぐれも慎むようにします。「先様さえよろしければ、お話を進めていただけますでしょうか」「ぜひ、お付き合いをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします」

 

◎断る場合

 

「大変もったいないお話ですが、先様がご立派すぎて、私にはつとまらないのではないかと思いまして…」「すばらしい方なのですが、私のようなわがまま者ではお付き合いしていく自信が持てません」(女性側から)「すてきな方ですが、お仕事に熱中していらっしゃるようですし、家庭に入っていただきたい私などには、もったいない方かと思いまして…」(男性側から)

見合いのマナーと服装

■話し方

 

ひとつに、人柄が出る見合い当日は、かならず約束の時間の10分ぐらい前までに到着していること。初めての場所なら、よけいに時間の余裕をみて出かけるようにします。

 

世話人が立ち会うことが多いので、最初に紹介のお礼を言っておきます。世話人が互いを紹介してから、自己紹介に入ります。

 

最初は、男性から。初回の会話としては、趣味や仕事について話すにとどめ、政治や宗教、経済状態などの立ち入った話には触れないようにします。身上書に書かれていたことを頭に入れておけば、会話がスムーズに進みます。

 

また、話しぶりに人柄が出ますので、なれなれしい言葉遣いはやめて、ていねいな言葉で話すようにします。相づちばかりで、自分からは話さないのも失礼です。

 

 

■付き添いはない方がベター

 

ごく正式な形で行うのか、カジュアルにするのかによって、付き添い人の有無が決まります。一般には、両親が付き添うと、大げさになりますし、本人同士が会話する機会も少なくなります。

 

出来れば、世話人と本人同士で会うほうがよいでしょう。

 

■TPOをわきまえた服装で

 

服装は、会う場所や時間帯によっても変わりますし、お互いのバランスも大事です。どうするのがよいか、事前に世話人に確認しておくようにしましょう。ホテルのロビーやレストランなら、洋服でかまいませんが、料亭や世話人の自宅のような和室の場合には、和服を選ぶほうが正式な印象をあたえることになります。

 

 

■女性の服装

 

洋服ならワンピースやソフトな印象をあたえるスーツがいいでしょう。パステル系の色を選ぶと、顔が明るく、はなやかに見える効果があります。バッグは小ぶりなもの。

 

濃いメイクやネイル、高すぎるヒールは、印象がきつくなります。和服の場合は、気軽な場所で会うなら付け下げや小紋でもかまいませんが、料亭のような格式の高い場所なら振り袖にします。

 

ただし、和服は着慣れていないと、動きがぎこちなくなりがち。無理をしすぎないよう心がけましょう。

 

■男性の服装

 

ダークスーツが基本ですが、ブレザーとパンツの組み合わせでもいいでしょう。特に、新調しなくても、ふだん、着慣れたものでかまいませんが、すわりじわやシャツの衿、靴の汚れなどは意外と目立つもの。あまり趣味性の高い服装や、色の組み合わせはとっぴな印象をあたえます。ナチュラルに清潔感のあるおしゃれを心がけましょう。

 

〈和装〉一般的には、訪問着や小袖でもかまいませんが、格式の高い場所なら振袖に。いずれにせよ、相手の服の格と違いすぎないことが大事です。

 

 

〈洋装〉フォーマルスーツやソフトなイメージのワンピースがおすすめ。赤や黄色などの原色、黒やグレーなどの地味すぎる色はさけた方がいいでしょう。

 

 

〈男性〉ダークカラーなら、ふだんのスーツでかまいません。ただし、小物をカラフルにするなど、仕事着の印象を与えないものに変えます。